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GNU Scientific Library : ウィキペディア日本語版
GNU Scientific Library

GNU Scientific Library (GSL) は、ANSI Cで記述された科学技術計算関数のライブラリである。オープンソースであり、GNU General Public Licenseのもとで配布されている。
このプロジェクトは1996年にロスアラモス国立研究所のDr. M. GalassiとDr. J. Theilerの着想に始まり、計算物理の専門家集団(Dr G. Jungman、Dr B. Gough、Dr J. Davies、R. Priedhorsky、Dr M. Booth、Dr F. Rossi、Dr D. Eddelbuettelら)を中心に作成された。
線形計算についてはBLASをサポートしており、CBLAS インターフェイスを実装している。
Linuxをはじめ、Unix系OSを中心にサポートしている。Microsoft Visual Studio用のバイナリもある。
コーディングに使われた参考論文のレファレンス、文献等も充実している (リファレンス・マニュアルには日本語訳がある)。リファレンス・マニュアルにはサンプル・コードも多数収録されている。PSPPPerl Data Language (en)、O2scl〔〕 などのフリーウェア・プロジェクトでも利用されている。
複素数型やベクトル/行列型などは ANSI C で規定されている構造体で実装されており、C++ のクラスではない。そのためたとえば、複素数オブジェクト同士の加算が + 演算子で行えるようになっている訳ではなく、加算のための関数 (この場合 gsl_complex_add) を、二つの複素数オブジェクトを引数として呼ばねばならない。
拡張倍精度以上の精度における計算は、変数の内部表現が言語仕様で標準化されておらず、さらに環境に依存して精度が大きく変化するために対応していない。
== 開発 ==
GSL の開発チームは、GSL が GNUプロジェクトのパッケージであることを明示しており、GSL のコードはすべて誰もが自由に、どんな用途にでも使えることを保証している。そのために、プロプライエタリなコードや (たとえばニュメリカル・レシピ (en) などの) GNU の定義するフリーソフトウェアに該当しないコードとは対立した開発姿勢をとっている。
2011年現在、年に1〜2回のメンテナンスリリースによるバグ修正対応が基本になっている。一方でブロックやスライスといったデータ構造の有用性や C++ 対応の是非についての議論も ML 上で行われており、もし議論が収束して開発陣での合意が形成されれば将来のバージョンで反映される可能性があるが、具体的なスケジュールを考慮するような段階ではない。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「GNU Scientific Library」の詳細全文を読む




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